移行と呼ばれる就労移行支援事業所(以下、移行)を利用する前の見学では、必ず確認しておくべきことがあります。確認するポイントは5つあり、それによってその移行に通うべきなのか、もしくは時間の無駄になってしまうのかが判断できるのです。
見学者を喜んで受け入れる
移行は基本的に、見学者を喜んで受け入れてくれます。そのため、見学時の職員の愛想が非常に良い移行もあります。
その時に移行の職員の対応や雰囲気だけで、安易に入所を決めないように気をつけることが大切です。それでは、5つのポイントをお伝えします。
受け入れ可能か
移行の利用者の定員に空きがありすぐにでも利用可能なのか、すでに満員で利用まで待つ必要があるのか、待つ場合の待機期間はどれくらいなのかをまず確認することです。
長いところでは、半年待ち以上の人気の移行も存在します。早期就職を目指して今すぐ利用できる移行に進むのか、待機期間はあるけれど多くの実績のある移行に進むのかについても考えておく必要があります。
就職までの通所期間
移行入所後すぐに求人に応募ができ、採用されれば入所直後でもすぐに就職できる移行もあれば、独自の数か月に及ぶ長期訓練プログラムをクリアできないと求人に応募ができない移行や、利用者に対してどのような継続支援や定着支援を行うのかを見極めるために1年の通所期間を設ける移行もあります。
そこで、見学の際には移行卒業までには、どのくらいの通所期間が必要なのかを確認しておきましょう。
独自求人の有無と数
移行利用者の就職先が、その移行に求人を出している場合や、移行が独自に開拓した求人があり、その求人を移行の独自求人と呼びます。
独自求人が多くあれば就職先の選択肢が広がるので、独自求人があるのか、あれば何社くらいあるのかの確認が必要です。移行の系列会社に障害者転職エージェントがある場合では、独自求人の数は何万ともなります。
就職できた卒業生がいるか
利用者がその移行の訓練や支援を受けて、きちんと就職しているのか、このことを確認しておきましょう。
開設まもない移行であれば、就職者がいなくても当然ですが、何年も運営しているのに就職者が全く出ていないというのは、質の低い訓練内容のため利用者が就職できるほどの能力を身につけられないことが考えられます。
出戻りがいるか
就職したけど退職してまた同じ移行に戻る訓練生、いわゆる出戻りの存在の確認です。継続支援や定着支援がうまくいかなかった可能性が考えられるので、なぜ退職したのかを確認しましょう。
事前確認をする
ここまでで紹介したポイント、受け入れ可能か、就職までの通所期間、独自求人の有無と数、就職できた卒業生がいるか、出戻りがいるかの5つは必ず確認する必要があります。
これらのことを怠って安易に入所してしまうと、無駄な時間を過ごすことになってしまうかもしれません。やはりこの移行は失敗したなと思ってから他の移行に移ることもできないことはありませんが、事前にきちんと確認をすることです。
完璧な移行は存在ない
また、余力があるのであれば、移行やいずれ自分の支援者となる移行スタッフのセールスポイントを事前に聞いておくのも良いでしょう。
ただし、今回お伝えしたこと以外にも、移行の所在地やスタッフの対応などを含め、全てが自分にマッチした移行は存在しないと思って下さい。自分が就職して長期継続就労するには移行に何を求めるのか、このことが重要になります。
まとめ
- 移行の見学では5つの確認事項があります。
- 移行のスタッフの対応だけで入所を決めてはいけません。
- 全てが自分にマッチする移行は存在しないと思って下さい。