応募先がいつどんな人材を雇うか、それは、2つの採用計画に基づいて行われます。一つ目の採用計画は、新卒社員雇用向けの時系列の採用計画であり、もう一つの採用計画がどんな人材を雇うかの選別の網であるフィルターです。
2つの採用計画
応募先が人材を欲しいと思った時には、闇雲に募集をかけるようなことはなく、まず採用計画を立てます。この採用計画には、時系列の採用計画とどんな人材を採用するかの採用計画の2つの採用計画が存在します。
先にお伝えしますが、そのため、仮に不採用になってもそれは、応募者と採用する側のミスマッチであり、決して応募者の全てがダメだったということはないのです。
時系列の採用計画
時系列を軸とした採用計画の具体例としては、主に4月入社の新卒採用に用いられ、その方法はいつから会社説明会やエントリーを開始して、面接はいつ頃、グループディスカッションはいつ頃、内定はいつ出すといった流れを決めて行く採用計画です。
なぜ、新卒採用に用いられるかというと、社会人の中途採用の場合には突発的な退職者の代わりや、業務が増えてきたなどの補充人員の募集であるので、時系列の計画が立てにくい採用だからです。
ただし、かなり前から従業員の退職予定日がわかっているケースや、新卒の大量入社により障害者雇用率がアップする時期がわかっていて、それに伴う採用のケースでは、新卒対応の時系列の採用計画よりも簡易的な時系列の採用計画を作成する事はありえます。この時系列の採用計画においては特に応募者は気にすることはありません。
応募者選別の採用計画
そして、もう一つの採用計画が、書類選考で応募者を選別する採用計画、採用のフィルターです。新卒を対象とした人気求人であれば何千倍もの倍率の求人もあり、障害者向けの求人であっても人気によっては何十倍の倍率はあります。
その際に、一つ一つ応募書類を吟味する時間はありません。そこで、事前に決めていた転職回数やキャリア、スキルなどの応募書類の情報で選別するフィルターという網にかけて応募者のふるい分けをするのです。
フィルターの存在
新卒の場合は学歴によるフィルター、いわゆる学歴フィルターの存在があるとされており、出身校によってのふるい分けを行う会社もあるようで、障害者採用においては、うちは身体障害者しか採用しないなどの障害フィルターを設けている会社もあるようです。
しかし、中途採用などの場合には、この採用フィルターを事前に設けているかといえばそうではなく、良い人材がいれば雇うといったアバウトな採用方法もあります。ただし、そのような採用方法であっても応募者が多くなれば、選考の段階で当然フィルターを設けることになります。
受入準備が必要
また、どんな採用に置いても必要となるのが受入準備です。人を雇用したはいいが、その人が使う机やパソコンがない、障害者雇用では、提供できる合理的配慮や支援ができていない、このようなことがないように事前にこれらの準備をしてから採用活動をします。
余談ですが、以前、障害者雇用でお世話になった会社の人事部は、普段は忙しくないのですが、新卒採用時期になると、送られてきた全てのエントリーシートに目を通すため、連日泊まり込みとのことです。このように、フィルターを設けず全ての応募書類に目を通すような会社も存在します。
まとめ
- 募集には、時系列とフィルターの2つの採用計画が存在します。
- 時系列の採用計画とは、いつごろ何をするかといった採用計画です。
- フィルターとは、応募書類の段階でふるい分けをする採用計画です。