HSPやその傾向がある過敏な人の中には、入社の早い段階でつまずき、早期退職を繰り返してしまう人がいますが、そうならないためにも、事前職場見学や体験実習を受けて少しでも気になる部分を減らして、初期段階での不安を解消することです。
過敏な人たち
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)と言われる人や過敏性のある発達障害者の人は、いろんなところに気が散りやすく、仕事を覚えるのがとても苦手な人がいます、このHSPとは、病気や障害ではなく生まれ持った気質のことで、非常に繊細すぎる人のことです。
このような人の中には、入社当初時の情報過多に対応できずに早期退職してしまう人もいますが、そうならないためにも事前に職場見学などで得る情報を分散させることです。
情報過多の例その1
例えば「このエクセルシートのA列の上から順に入力して下さい」このような至極単純な指示を受けた時にHSPの人やその傾向がある人の頭に多くの情報が巡り、頭の中は以下のような疑問などでいっぱいになります。
- エクセルはどこから開くのかな?
- 上書き保存のタイミングは常にしていいのかな?
- 入力した後の工程はなんだろう?
- 口頭だけでなく書面のマニュアルはないのかな?
- メモを取っているけど、これをマニュアル化する時間はもらえるのかな?
- 教えてくれている人になんでも聞いていいのかな?
- なぜエクセルでやるのかな?
- このパソコンのメーカーは前の会社と同じだ。
情報過多の例その2
職場環境の案内をされた時には、自分に関係のない環境のこと、例えば異性のトイレの場所が気になるなどの不要な情報を考えてしまうのです。
- 食後にトイレで歯磨きできるのかな?
- ゴミの分別方法は明記されているのかな?
- ゴミがいっぱいになったらどうするのだろう?
- ロッカーのスペースはどのくらいだろう?
- 案内している人は自分のことをどう思っているのかな?
情報過多の例その3
人を紹介された時には、単に名前と顔と役職だけの情報を得るのではないのです。
- この人は勤続何年なのかな?
- この人は結婚しているのかな?
- この人達は、お昼休みはどこで食事を取るのだろう?
- この人も自分と同じで、些細なことで落ち込むのかな?
- この人の家族構成はなんだろう?
ワーキングメモリ
このように、今必要な情報だけをチョイスして頭にいれることが難しく、多くの余計な情報で頭の中がいっぱいになってしまい、全てを覚えることは到底できず、脳の短期記憶であるワーキングメモリの容量はすぐにオーバーしてしまいます。
明らかに、最初の「このエクセルシートのA列の上から順に入力して下さい」指示とは不要な思考を巡らせるので、情報処理が苦手であり色々と頭を使うので非常に疲れやすいのです。
生まれ持った気質
これは生まれ持った気質なので、どうにかできることではないので、頑張って環境や人間関係を合わせようとしても適応することが難しいのです。また、就職したての頃は、中々仕事を覚えらず、他の人よりも劣ってしまう傾向があり、その結果、就職しても早い段階で退職に至ってしまう人もいます。
では、どうすればいいのかというと、HSPの人やその傾向がある人は自分が職場環境に適応するよりも、自分にあった職場環境を見つけることがベストです。
その自分にあった職場環境の見つけ方が、会社に応募する前に、事前にその会社で働くことができる職場体験実習やトライアル雇用を利用すること、また、働きはできませんが雰囲気だけでも味わえる事前見学です。
職場見学や体験実習
これらは、障害者職業センターや就労移行支援事業所を利用することで可能であり、また、ハローワークの求人にも事前見学可能や実習可能、そしてトライアル雇用制度を設けている企業があります。
もちろん、採用されてから初めて職場の雰囲気や人間関係を知る一般的な採用方法に比べて、その数はとても少ないですが、何度も初期段階で仕事を覚えるのが苦手なことを理由に退職をしているのであれば、このようなアプローチで求職活動をするのがベストと言えます。
初期段階が重要
自分がこれらの特徴にとても似ており、HSPかなと思う節があれば、専門書を読んで自己理解をするのが良いです。発達障害の人の中にも、とても繊細、敏感、いわゆる過敏な人がいて求職活動や就労はもとより、日々の生活で生きづらさを感じている人がいます。
その中で仕事がどうしても仕事が続かない、早期退職を繰り返してしまっているのであれば、これらの制度を利用して就職するのが良いでしょう。
初期段階では実力を発揮できにくいHSPですが、その反面、時間と共に能力を発揮させて職場で活躍できるので苦しいかと思いますが、なんとしてでも初期段階を乗り越えることです。
まとめ
- HSPの人やその傾向がある人の中には仕事が続かない人がいます。
- 入社当初は非常に情報過多で心に余裕ができないのです。
- HSPやこの傾向があるならば、事前職場見学や体験実習を行います。