応募書類は11類、これはオープン就労に応募する際の応募書類の数です。一般枠就労の応募と違い、オープン就労では障害についての書類など応募書類が多くなります。しかし、全てを作成する必要はなく、まとめられる書類はまとめてしまって構わないのです。
11種類の応募書類
その11種類の応募書類とは何かと言いますと、以下の書類になります。
- 送付状
- 履歴書
- 志望動機・自己PR
- 職務経歴書
- 健康状態・障害の詳細
- 求める配慮事項
- ナビゲーションブック
- 就労パスポート
- ポートフォリオ
- 保有資格一覧書
- 自己紹介書
基本的な4種類
障害者が応募書類を作成するにあたって、まずは一般枠への応募でも求められる4つの書類は基本的に必要になります。応募者の経歴によりますが、送付状、履歴書、志望動機・自己PR、職務経歴書、についてお伝えします。
送付状
カバーレーターとも言われるこの送付状ですが、応募書類の一番上に入れる応募書類の明細であり挨拶状というところです。
決まり切った定型文だけを書いても構いませんが、一工夫するならば、仕事が長続きしないことやブランク期間があることに対して反省していること、また、応募への熱意などを2、3行程度記載しても構いません。
履歴書
履歴書とは、応募者の基本情報を盛り込む書類になり、大きなミスが許されない書類になります。新卒就活生が作成するエントリーシートのようなものと考えてもよいでしょう。他の応募書類はパソコンのワードで作成することが多い中、この履歴書はパソコンのエクセルで作成するのが一般的ではあります。
もちろんワードや手書き、また、使い慣れているのであればアドビ系のソフトで作成しても問題はありません。なぜ、エクセルで作成するのが一般的なのかというと、履歴書は全体的に表になっているので、表計算ソフトであるエクセルだと作成しやすいからです。
志望動機・自己PR
履歴書には、この志望動機と自己PRの項目欄を設けているケースが多いです。しかし、その項目欄が非常に小さいためアピールするには、履歴書ではなく、この志望動機・自己PRの書類に、ある程度のボリュームで記載するのが良いでしょう。
文字数は、それぞれ、最低でも300文字は必要ではないかと考えていますが、できれば500文字位あると熱意が伝わるのではないでしょうか。もし、志望動機と自己PRが1枚に収まらないようであれば、それぞれ別紙に記載しても構いません。
一説によると、A4用紙の3分の1から4分の1程度にまとめれば、採用担当者に読む負担を与えないと言われています。ちなみにボクが作成した志望動機だけで一番ボリュームの多かった文字数は1,000文字オーバー、A4用紙1枚で結果は内定でした。
職務経歴書
過去に働いた経験がある人は、職歴を履歴書にも記載はしますが、より詳細にどんな仕事をしたのかをこの職務経歴書に記載します。気をつけたいのが、専門用語や業界用語を控えて予備知識がなくてもわかるように記載することです。
就労継続支援事業所や移行と呼ばれる就労移行支援事業所などの就労系福祉サービスの通所歴、アルバイトやパート雇用、そして短期間の経歴まで記載するのか悩みますが、何を記載するかしないかはある程度応募者の判断に委ねられます。
また、基本的に職務経歴書はA4用紙で2枚まで、どんなに多くても3枚までにしたいところです。記載することが多く職務経歴書の枚数が4枚以上になってしまうのであれば、やはり就労系福祉サービスの通所歴、あまりにも短い職歴などの記載の必要性はなく、これらは、最後に通算年数としてまとめて記載するようにしましょう。
障害者特有の応募書類
障害者が自分の病気や障害をオープンにして求人に応募する場合には、自分の障害についての詳細や企業側に求める配慮などについてを記載した書類が必要となります。
その数は、健康状態・障害の詳細、求める配慮事項、ナビゲーションブック、就労パスポートの4種類になりますが、これら全てを作成する必要はなく、似たような書類になるため健康と障害のことそして配慮のことを記載した一つの書類を作成すれば構いません。
健康状態・障害の詳細
現在の健康状態と障害の詳しい内容を記載する書類です。健康状態については履歴書の健康状態欄の「良好」の二文字で終わらせてはいけません。この健康状態・障害の詳細になぜ良好なのかを記載します。たとえば、服薬によって良好な状態であるのならば服薬について記載します。また、転院歴や診断名が変わったことがあればそのことについても記載しておくと良いでしょう。
採用担当者は医療の専門家ではありません。そのため、障害や薬については応募者の方が知識を持っている可能性もあります。知識の少ない人にでもわかりやすく伝えるために、あまり専門的な用語は使わず、できるだけ一般的に通用する言葉に置き換えて記載しましょう。もし専門用語を使うのであれば、かっこ書き等で簡単な説明を加えることが必要です。
忘れがちなのが身体の状態について記載することです。この書類には、メンタル面の状態だけではなく、慢性的な腰痛、アレルギー性鼻炎、神経性の胃痛など、身体の状態についてもきちんと記載しておくことが必要です。
求める配慮事項
応募者自身が働く上で企業側に求める配慮を記載する書類です。障害者求人への応募であれば、企業側に合理的配慮を求めることができます。これが不要ということは、障害者枠に応募する必要はなく、一般枠で働けるということです。この書類は、求める配慮事項が少ないときには、他の書類にまとめてしまっても構いません。
書類を作成する際は、なぜその配慮事項が必要なのか、その配慮事項があるとどうなのか、などを詳しく記載します。「4週間に一度の通院で休暇を頂きたい」「電話対応はご遠慮させて頂きたくお願い致します」などと簡潔に済ませてはいけません。例えば、電話対応についてであれば、次のように記載します。
電話対応はご遠慮させて頂きたくお願い致します。障害特性上、マルチタスクが苦手であり、その代表的なものが電話対応です。前職で行なったこともありますが、どうしてもメモを取りながらの電話対応ができず、聞き漏らしなどのミスが多発してしまい、ご迷惑をおかけした経緯がございます。電話対応を行わない配慮をいただければ、その分、与えられた業務に対しては集中して行い成果を出したいと存じます。よろしくお願い致します。
これら、健康状態・障害の詳細と求める配慮事項の2つの応募書類を一つにまとめてしまっても構いませんので、必ず応募先に伝えましょう。
ナビゲーションブック
別名、自分の取扱説明書と言われている書類です。働く際に自分をどのように扱って欲しいのかや、サポートして欲しいことなどを記載します。これは配慮事項と似ているので、求める配慮事項の書類に付け加えて記載しても構いません。
応募書類と同封して書類選考の段階で採用担当者に見てもらうか、面接の時に面接担当者に渡すかは応募者の自由です。このナビゲーションブックは絶対に必要というわけではありません。
就労パスポート
就労パスポートは、障害のある人が自分の障害のことやどんな配慮をしてほしいのかを記載した書類です。就労パスポートは決まった様式があり、厚生労働省のホームページからダウンロードできます。こちらも、提出が必須なわけではありませんので、必要に応じて補足として作成してください。
内容としては、前述したナビゲーションブックとほぼ同じと思って構いません。強いて違いを挙げるとすると、ナビゲーションブックは自由形式で記載ができ発達障害者向けであるのに対し、就労パスポートには様式があり精神障害者向けであることです。
就労パスポート 様式、活用の手引きなどはこちらからダウンロードできます
必要に応じた書類
専門職や多数の資格保有者にとっては、それらのことを別紙に記載してアピールすることも有効です。そのために補足的に作成するのが、ポートフォリオと保有資格一覧書、そして自己PRになる自己紹介書があります。
ポートフォリオ
デザイン系やプログラム系などのクリエーター職の応募に必要になってくるのがポートフォリオです。ポートフォリオとは作品集のことで、その応募職種に対しての自分で制作した作品集になります。こんなことができます、あんなこともできます、と口頭で伝えるよりもこのポートフォリオを見せるだけで、一目瞭然に実績やスキルを伝えることができます。
保有資格一覧書
保有資格が多く、履歴書の資格欄だけでは収まり切らない人が必要とする書類です。履歴書には、貴社で貢献できる資格と題して、応募職種や応募先で求められる資格だけを記載し、それ以外を資格一覧書として記載します。
ただし、どんなに資格が多くあっても、検定試験で資格と呼べるものは3級以上のもので、4級以下のものは資格ではなく特技と考えておくのが無難です。
自己紹介書
まれに、自分がどんな人間なのかを詳しく伝えるために、自己紹介書を付け加えることもありますが、オープン就労の場合は、ただでさえ応募書類が多いのでこの自己紹介書は割愛しても良いでしょう。
内容としては、自由形式で自分をアピールするための応募書類となり、イラストや写真を使っても構いません。具体的には、新卒就活生が在学中に力を入れたことである「ガクチカ」的なことや将来像、そして趣味や特技などを記載する書類になり、それらが応募先企業でどのような貢献につながるかを記載します。
最後は、「こういうことをしてきました。」で終わりにするのではなく、「こういうことを目指しており、貴社ならそれが実現できると考え志望致しました。」という「WILL」で終わるのが良いでしょう。
多くの応募書類
一般枠へのクローズ就労であれば、最低、送付状、履歴書、職歴があれば職務経歴書の3つで済みますが、障害者雇用ですと、それに障害に関わる書類が必要となり、送付状、履歴書、職務経歴書、健康と障害と配慮の4種類が必要になります。他の書類については、記載事項を他の書類に記載するなどの工夫ができます。
応募書類の全てに言えることですが、作成するのが面倒だからと手を抜いてしまったり、作成しなかったりすると、応募者がどんな人なのかが採用担当者に伝わらず、結果、書類選考を通過できないことも考えられます。大変ではありますが、就活中のあいた時間を利用するなどして必ず作成するようにしましょう。
まとめ
- 障害者がオープン就労で必要となる応募書類の種類は、全部で11種類ありますが全てが必要というわけではありません。
- 送付状、履歴書、志望動機・自己PR、職務経歴書は一般枠の応募でも必要となります。
- 自分に必要な応募書類は、必ず作成します。